ステロイド拒否、特殊治療、民間療法、アトピービジネス、ドクターショッピング、真否を問わない情報の氾濫など、アトピーを取り巻く世の中の混乱を少しでも鎮めるために、日本皮膚科学会が1994年より本格的に動き始めました。

具体的には、診断基準、重症度分類、治療ガイドライン、診療ガイドラインを次々と策定して、その普及に努めました。全国的には、ある程度効果があったものと評価されています。ですが、ここ10年程の間に当科へ来院される〝難治〞のアトピー患者さんが減ったかと言うと、一向に減る兆しすらありません。患者さんは、3〜5件の病院で治療を受けたのに良くならないという方が多いです。皮膚科・アレルギー科標榜医や皮膚科専門医を受診したけど良くならないという方も多く、県内外の大学病院や有名病院の偉い先生、アレルギー専門医に診てもらっても良くならないという方も珍しくないのが現状です。