自分で問いを立てるときに重要なのは、理屈ではなくて感性です。
哲学者だって科学者だって、「あれ?」って思う瞬間って、理屈で発見するんじゃなくて、きっと感性じゃないですか。
井本陽久
「いま、ここで輝く。 ~超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室」(おおたとしまさ著)より
〜いままでの科学の発展の歴史のなかで、 正しいと思われていたことが覆ることって何度もあったんです。でもほとんどの場合、 間違っていたのは論理ではなくて、前提なんです。
どんなに綿密に論理を組み立てても、前提が変わればぜんぶ違うことになる。つまり正しさはもろい。
いかに論理的には正しくても、結果的な正しさは全然もろい。前提が変われば世界が変わるってことですよね。
「試行錯誤」って要するにそういう視点に立てるかどうか。〜
〜エビデンス自体は否定しないけれど、現場の感性と食い違うエビデンスを信じるのはやめたほうがいい。そのエビデンスを導き出した前提自体が、実際の現場とは違っているかもしれないんだから。
既存の教育の効果をエビデンスとして測定することはできると思いますが、エビデンスから新しい教育をつくることはできない。
新しい教育をつくるのは常に現場の教師の感性だと思います。〜
理屈<感性Don’t Think、Feel.
井本陽久
栄光学園中学・高校数学非常勤講師。2019年より、花まる学習会顧問。
栄光学園中学・高校卒、東京大学工学部精密機械学科卒。92年より栄光学園中学・高校 数学教師を務める。児童養護施設での学習支援を20年以上継続。
著書に『プライム数学 幾何Ⅰ・幾何Ⅱ』(Z会)、関連書籍に『いま、ここで輝く。—超進学校から飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室—』(エッセンシャル出版社)などがある。