【エッセンシャル出版社の考える「出版のミライ」⑧】
今日は、私の大好きなユーチューバーのヒカルさんの動画から学んだことをもとに、出版のミライを考えていきたいと思います。
こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。
私が、”本づくり”をしていく上で、日々、どのようなことを考え、どのような目的で本をつくっているか、記事風に残していきたいと思います。
【プロフィール】
大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/
ある動画で、ヒカルさんが視聴者さんから送られてくる悩み相談に対して、持論を1時間くらい話していることがありました。
そこから、成功するために必要なこととして話されていた内容を紹介します。私のユーチューバーに対する数年前のイメージはラッキーでお金儲けをしている人というものでした。
出版社を始めたときも、不況と言われがちな出版業界であれば、「そんなラッキーで乗り越えられるものではないだろうな」くらいに思っていたのです。
でも、本づくりについて覚え、段々と広めるというビジネスという点についても考えだしたとき、YouTubeの存在やインスタ、Twitterなどの意味を改めて考えざるを得なくなったのです。
どういうことかというと、著者の考えを編集して、人に伝えるということが出版社の使命だとするならば、YouTubeなどで、情報を発信している人たちのこと、その世界のことを知らないでいるわけにはいかないということに、ようやく気づいたのです。(遅いですが)
そこからは、少しずつ机上の空論ではなく、自分が実際にやってみて、情報を収集するということを始めるようになりました。そこで、いろいろなSNSがある中でも一番、発信力が高いのは、なんと言ってもYouTube。そしてその中で、戦略的に伸びてきた方(ヒカルさん)の考え方は、勉強になることばかりで、そして、自分の”いま”を改めさせられる行動ばかりでした。
ヒカルさんが動画の中で「”いま”を変えたい視聴者さんからの悩み相談」に対して、成功の秘訣としてあげていたのは、「才能×努力×時流」というものでした。
才能×努力というのは、島田紳助さんの言葉で、
全ての値のMAXが5だとしたら、
才能が2、努力が5の人は2×5=10
才能が4、努力が2の人は4×2=8
なので、才能がそこまでなくても、努力で勝てるという論のことです。
努力の仕方だけは学ぶことができるから、努力の仕方を教える本やセミナーが多いということも言われていました。
また、才能はやってみないとわからないから、とにかく挑戦すること(打席に立つこと)が大事というのも島田紳助さんの論です。
そこに、ヒカルさんというフィルターを通してプラスされたのが、時流です。
ヒカルさんは、時代の流れとして、動画(YouTube)という要素が掛け合わさったから、自分は成功できたと言っています。
時代の流れとは、少し言い替えれば、「時代が求めていること」とも言えそうです。
この論をもとに、出版社のミライ、エッセンシャル出版社のミライについて考えてみます。
才能と努力の仕方については、個それぞれの話になるので、ここでは、時流について考えてみたいと思います。
時代が求めているサービスとは?他業界からも学ぶ
「お金の払いどころが変わる?」の記事でも書きましたが、20年くらい前は、携帯電話はあっても、スマホのように情報を得る機械としての機能はありませんでした。当時は、テレビやラジオ、新聞、雑誌、本くらいしか情報を得る手段はなかったと思うのですが、今やスマホを開けば情報は受け取りきれない程になっています。以前は、多くのものが有料だった情報も、今や無料でいくらでも手に入れられるようになっているのです。
▽【出版のミライ⑥】お金のかけどころ=払いどころ=価値が変わる?
■音楽業界の変遷と成功事例
時代の変化について、例えば、音楽業界で考えてみると、ミュージシャンや音楽レーベルの「売上」における構造は、下記のように移り変わってきています。
■CDの売上/ライブで売上を上げる
↓
■ネットで音楽が買えるようになりCDが売れなくなる/ライブで売上を上げる
↓
■サブスクモデルで音楽が聴き放題になる/音楽の配信では売上が減っていく/ライブで売上を上げる
このような時代になったときに、ミュージシャンのサイドから見れば、レーベルに所属しなくても音楽活動はできるようになってきたということになります。そして構造は変わっていっても、今のところ、音楽というものの”生演奏”の価値は変わらず残り続けています。
基本的にドームなどでライブを行うには、①レーベルに所属する②売り出してもらう③ファンができる④ファンクラブをつくり、ライブの集客をするという流れでした。
しかし、例えば、「レペゼン地球」というバンドは、自分たちのユーチューブチャンネルでファンをつくり、自分たちで作ったCDを楽天で売り、ライブのチケット(10万枚)が一瞬で売れるまでになったのです。
たしかに彼らのユーチューブのチャンネル登録者数は200万人以上もいるのですから、10万枚のチケットが即売り切れるのは、当たり前かもしれません。
チャンネル登録者数、認知度と人気度は比例しないという考え方もありますが、「レペゼン地球」のDJ社長は、「個のファン」になってもらうことを考えて、YouTubeの動画をつくっていたそうです。(時に炎上もしていますが、嫌われるという点でも誰かの印象に残ることは大事だと思っているとのことです)
この「レペゼン地球」の動きは、いわゆるメジャーのレーベルや大手音楽事務所に所属しなくても、戦略を練れば戦えるということの証明だと思います。
まさに、1人(チーム)が1メディアを持ち、自由に発信ができるようになった、いまの時代。
出版社としても、どう自分たちのメディアを運営していくかを考えることが急務だと感じました。
■出版業界の変遷と成功するための戦略
話を音楽業界ではなく、出版業界に視点を戻すと…
紙の本をベースにする作家・著者や出版社の「売上」における構造は、下記のように移り変わってきています。
■紙の本・雑誌の売上
↓
■ネット記事の台頭/紙の本の売上の減少
↓
■電子書籍の台頭/紙の本の売上の減少・ネット等で発信力を持つ人の本が発売され種類が増え、1冊毎の売上の減少
↓
■有料のネット記事の増加・電子書籍の売上の増加/紙の本の売上の減少
紙の本の売上は、減少の一途をたどっています。
ただ、変わらずして、価値があるものは、有益な”情報そのもの”なのかもしれません。
では、その情報をどう生かすか。
さらに、その情報や心が揺れ動いたことに対して、どうアウトプットの体験を提供できるか。出版社における、この体験の提供というものが、音楽業界でいうライブに値するかもしれません。
(まとめ)
・本を成り立たせている成分を分析し、その本質だけを残す
・紙の本、電子書籍という形にとらわれない
・(↑この2点を検討した上で)本の価値を高める
・インプットするからアウトプットする・し続けていく
そこまでを、”本を読む”ということに定義を変える。
・アウトプット部分についても考え、実験・検証を繰り返していく
・1つのテーマとして、
■メインコンテンツをインプットするのは無料 ∞ 周辺コンテンツ、アウトプットのサポートが有料
■情報をインプットしてもらうところは有料 ∞アウトプットのサポートは無料
エッセンシャル出版としては、このあたりのテーマをまずは入り口に検討し、戦略を立てていきたいと考えています。