『意思決定力』ってどうやってつけたらいいの?
『意思決定力を養う』ために…
平野美宇選手を育てたお母さん、平野真理子さんが意識していたこととは?
至近距離で相手と打ち合う卓球には瞬時の判断が求められます。
それを可能にするのは、たくさんの選択肢の中から最良の方法を選び取る意思決定力だと、
私は考えます。
美宇にも自分の意思をしっかり持ち、それをちゃんと言葉にして伝えられるようになってほしいと、
小さい頃から自分のことは自分で決めるチャンスを意識的に作るようにしてきました。
もちろん妹たちも同じです。
その際の親の役目は、子どもの成長段階に寄り添うこと。
経験の浅い子どもたちだけですべてを決めるのは難しいので、
親が状況に応じて選択肢を絞ってあげたり、逆に増やしてあげたりしながら子どもの頭の中を整理し、
考えやすい状態を手助けしていました。
そして、最終決定は子どもに委ねるようにしました。
例えば、小さい頃はよく一緒に図書館に行き、読みたい絵本を図書袋いっぱいに借りてきました。
そして私が夜、寝る前に読み聞かせをするのですが、全部の中からどれを読むのか、
子どもたちだけで一冊を選びとなると大変で時間もかかります。
でも、まず私が二冊だけ取り出し、「どっちの絵本を読む?」など二者択一にすると、
子どもたちはたやすくどちらか一方を選ぶことができます。
時には、どちらか決められず、「どっちも!」と答えることもありましたが、
その場合は「両方ね。じゃ、どっちから読むか、順番を決めよう」と言うと、
「こっちが先!」と張り切って片方を選んでくれました。
(中略)
これらはどれも小さなことだけれど、立派な意思決定だと思います。
子どもの成長に合わせて親の手助けを徐々に減らしていき、
いずれは子ども自身が、「自分一人で正しく決められる」と
”自信”を持てるようにすることが大切だと考えます。
この日常生活における小さな意思決定の積み重ねは、卓球の試合にも活かされますし、
いずれ来る人生の分岐点で難しい選択に迫られた時、進むべき道を決める大きな力になると信じています。
『美宇は、みう』
平野真理子/著
健康ジャーナル社 1400円+税
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