【地域協力の効果】

低学年の子どもたちは、
「自分を見てほしい」、「褒められたい」
という気持ちがあるので、問題を解き終ったら
自分から「できたよ！」と声をかけ、
それに対して

「頑張ったね」、「よくできたね」とサポートの皆さんが反応してくれるようになったことで、

子どもたちの集中力が増し、授業に対して積極的になったことや、
自信をつけていったことがわかるようになりました。

本来は、担任の先生が子どもたち全員を見て、
このように声かけをしていくことが望ましいのかもしれません。
しかし、児童の人数が極端に少ない場合を除くとそれは不可能です。
したがって、このように「見る目」が増えたことは大きなメリットだと言えるでしょう。

高学年のクラスではどうだったのかというと……
正直にいえば、高学年については、当初はすごく難しいと思っていました。
年頃の子どもたちなので、
環境の変化――担任ではない地域の方が教室に入ってくることや、
その方が授業に関与することを素直に受け入れられないかもしれないと思ったのです。
しかし結果から言うと、地域住民の皆さんの協力は、高学年に対しても効果がありました。

それは、同じサポートメンバーが同じクラスを
見てくれたことが大きかったのではないかと思っています。
というのも、毎回自然と「あの子はどうしているかな？」と気になるものだからです。
授業にあまり気乗りしない子どもを気にかけてくれて、
毎回のように声かけをおこなってくれました。
一方の子どもたちは、毎日のように自分を気にかけてくれる大人に対して心を開き、
その人に認めてもらおうと積極的に授業に取り組むようになったのです。

花まるタイムに加えて、こうした環境の変化もプラスに働いたことで、
官民一体教育は一定の成果を出せるようになっていったのです。

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『学校を開いたら、町が人が風向きが変わった！』
前原匡樹（武雄市協働コーディネーター＆人と学校をつなぐ町おこし先生）
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