どんな個性も生きるスポーツ・ラグビーに学ぶ「子育て」
「うちの子の個性をうまく見つけられていない……」
ちょっと待って!その個性の見方って、偏っていませんか?
「個性の時代」の個性ってなに?
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「個性の時代」といわれて久しい……というか、
ことあるごとにピックアップされるのが「個性」という言葉です。
明治の文豪・夏目漱石だって、「今は個性中心の世の中である」と、
『吾輩は猫である』の中で述べているくらいですから。
そもそも「個性」という言葉は日本語にはなかったんです。
明治時代の半ばに入ってきた individuality という英単語を翻訳したのが最初で、
そう考えるとせいぜい100年かそこらの歴史しかないわけです。
鉄道の開通よりも後なんです。漱石にしてみれば、
「最先端の流行語を使ってやったぜ!」という感じだったと思うわけです。
たぶんですけど。
individuality という言葉を辞書で引くと、
【個性・人格・個人の持つ特性】といった意味があることがわかります。
で、表題に戻るんですが、
「うちの子の個性がうまく見つけられない」といったときの「個性」って、
「長所」とか「特長」とかの意味で使っているんじゃないかと思うんですね。
要するに、わが子の「いいところ」を「個性」だと考えたい…
そんな意識が働いていると思うんです。
でも、本来の意味からすれば、「うちの子は〇〇なんです」の〇〇こそが個性であって、
たとえそれが「平凡」だろうが「目立たない」だろうが、それでも個性は個性だし、
そう認めてしまえばいいのに、
そこで変にハードルを上げちゃってる方が多いんじゃないかと思うんです。
どんな個性でも認めて活かしてあげる――それが親の務め
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特に、子どもにとって、「個性」がはっきりと出やすいのがスポーツでしょう。
例えば、「足が速い」が一番わかりやすい。
なにしろ目立つし、はっきりいって、それだけでモテます(笑)。
じゃあ、足が遅いとスポーツができないかというと、もちろんそんなことはありません。
でも、親としては野球とかサッカーといった花形スポーツをやってほしいと思うわけです。
子どもたちにも人気があるし、どうしてもやらせたい、みたいな……。
子ども自身が好きで「やりたい!」といってやるのであれば、
足が遅いとか、ボールを速く投げられないとか、勢いよくボールを蹴れないとか、
そういう理由でレギュラーになれなかったとしても、
本人も納得しているから別にそれはそれでいいじゃないかと思うんです。
問題は、親が押しつけてやらせている場合。
好きでもないのにやらされた上に、
ほかの子と比べられて自分が劣っていると自覚させられるのですから、
子どもにしてみればたまったもんじゃありません。
あるいは団体競技が性に合わないという子もいるでしょう。
まずはそういう部分をきちんと見極めてあげることが、
親の努めなんじゃないかと思います。
また、本人が「好き」ということの中に、
将来的に得意になったり長所になったりする「芽」が
あるんじゃないかとも思うんです。
まずは冷静に子どもの個性を見極めること。
世間的には「マイナス」かもしれなくても、
それがその子の個性だと認めてあげること。
その上で、その個性をどうやったら活かすことができるかを
考えてみることが大切じゃないかと思います。
きっとそのほうが親も子も幸せになれるんじゃないでしょうか。
「ラグビー」というスポーツから、
よりよい子育ての方法を学んでみませんか?
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ノーサイドの精神、ワンチーム、多様性のスポーツ、
一人一人の誇り、ノブレス・オブリージュ、そしてオフ・ザ・フィールド…
ラグビーは競技としての面白さだけではなく、
人間が生きる上での本質的な魅力に溢れています。
たとえ、足が遅くても、体が小さくても、輝けるのがラグビーです。
ラグビーの中にある考え方やあり方を知ることで豊かな子育てができると思います!
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オフ・ザ・フィールドの子育て』
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中竹竜二
株式会社チームボックス代表取締役
日本ラグビーフットボール協会理事
1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。
三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、
自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。
2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、
指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。
2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、
2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。
2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。
2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、
代表理事を務める。ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。
著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』
(CCCメディアハウス)など多数。
㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。 |
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