「コミュニケーションの質が高まる場」伝説のメンター・大久保寛司’s RADIO「あり方研究室」VOL.78

大久保寛司さんのRADIO「あり方研究室」!

第78回のテーマは「コミュニケーションの質が高まる場」です。

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■VOL.78「コミュニケーションの質が高まる場」

GUESTは、尾中友哉さん。②です。

こちらからお聞きいただくことができます。↓

これまでの「あり方研究室」の再生リストです。

こちらから、過去のGUESTの対談は全てご覧になれます。

https://youtube.com/playlist?list=PLvUYkPOFnpyS2iLp9MnVMW4DXWfN8TjZn

大久保寛司さんは、長年、日本中のいい会社と呼ばれるありとあらゆる企業を訪問し、その本質を洞察し、その経験を活かして、多くの経営者から師と仰がれ、のべ10万人以上の人の行動を変容させてきた「伝説のメンター」と呼ばれる方です。

2020年以降、これからは「風の時代」になると言われています。

所有から共有へ、ひとりひとりの個性・オリジナルが尊重される世界へなど、「ジャッジしない」「本質的なつながり」の時代が到来するようです。

そして、令和の時代、そしてWithコロナの時代は、「あり方」の時代になっていくと思います。

これまでは、目を外に向けて、社会の中でどう上手くやっていくか、どうしたら、この社会に適合し、成功するかといった「HOW TO=やり方/LIFE STYLE」がフォーカスされ、よりよく成長しながら生きていくという視点が主流でした。

これからは、指を自分に向けて、ありのまま、あるがままの自分とつながって、日々、自分はどうありたいかという「BEING=あり方/LIFE STANCE」をセンターにして、自然に豊かに生きていくという観点にシフトしていくのではないでしょうか。

〜この研究室は、私が皆さんと共に学ばせていただく場です〜大久保寛司

「あり方」について、「教えてほしい」という姿勢ではなく、自分なりに考え、学ぼうとする方は、皆さん、この研究室の研究員です。共に学んでいきましょう!

今回のGUESTは、尾中友哉さんです。

尾中友哉さんの考える「コミュニケーションの本質」とは何か。

尾中友哉さんと、大久保寛司さんの洞察に溢れた、お二人の対話を、是非、ご覧ください。

【尾中 友哉さん】PROFILE

Silent Voice 代表

平成元年生まれ、滋賀県大津市出身。聴覚障害者の両親を持つ耳の聞こえる子ども(CODA)として、手話を第一言語に育つ。2014年より、DEAF特有の「コミュニケーションの壁を乗り越える力」を実践的に習得する企業向け研修プログラム「DENSHIN」を提供開始。

2017年には教育分野へも参入し、ろう・難聴児向けの総合学習塾「デフアカデミー」を創設。教育・就労という二大テーマについて「DEAFと社会の関係性を変える」ビジネスを創出・展開しつつ、自治体の委員や企業のダイバーシティ事業部などへ相談役として参画。

また、社会起業家として、ニュース番組のコメンテーターやビジネスコンテストの審査員を務めるなど、幅広く活動を展開。

■Silent Voice HP
https://silentvoice.co.jp/

■尾中さんインタビュー記事「「聴覚障害者」への負のイメージをなくしたい。心の声に耳を傾け、たどり着いた夢」
https://an-life.jp/article/1184

■お話に出てくる「聴覚障害をお持ちのお母さん(尾中幸恵さん)のドキュメンタリー」
https://www.youtube.com/watch?v=jI2diHkLyGI

■「ヒゲの校長」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000092687.html

■主な登壇・受賞歴

◎青年版国民栄誉賞 人間力大賞内閣総理大臣奨励賞 グランプリ および 全国商工会議所会頭賞 / 主催:日本青年会議所

◎JCI Ten Outstanding Young Persons of the World JCI TOYP 2019

(世界の傑出した若者10名)選出 / 主催:JCI(国際青年会議所)

◎日本財団主催「ソーシャルイノベーションアワード2019」最優秀賞受賞

◎みんなの夢をかなえる会主催「みんなの夢AWARD8」グランプリ受賞

◎内閣府コアリーダー事業障害分野 フィンランド派遣団 日本代表青年選出

◎大阪府障害者雇用貢献企業「ハートフル企業チャレンジ応援賞」受賞

◎大阪府障害者施策推進協議会手話言語条例評価部会 委員

◎厚生労働省指定 国家資格キャリアコンサルタント更新講習 「聴覚障害者のキャリア開発」受託

◎TEDxKobe 2017 登壇 「DEAFの聴く力で豊かになるコミュニケーション」

VOL.78のRADIOから、一部内容を抜粋してご紹介します。

■VOL.78

コミュニケーションの質が高まる場

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尾中:
私の母が滋賀県の大津市・大津駅前でカフェをやっていまして、「母がカフェにチャレンジする」というのがちょうど、私が大学1年生の時で、ぶったまげたんですね。

母がマスターで、聞こえない訳です。

元々、その場所は、人が集まる居抜き物件だったので、初日のランチタイムから人が並んでいたんですよ。

でも、お客さんが入ってきて、「あのー」って声をかけても、母は振り向かないわけじゃないですか。

大久保:お母さんは聞こえない。そうすると、どうなってしまうんですか?

尾中:初日は心配で、おじいちゃんと一緒にすりガラス越しに見ていたんですが、おじいちゃんは途中から人を帰していました。

「すみません、オープン初日で混乱してるんです」と。

最初こそそんな感じで始まったんですが、もう15年ぐらい、今も続いているのですごいですよね。

私が決定的に覚えているのは、おじいちゃんとまたすりガラス越しに見てる日々があったんですけど、事情も何も知らない人が、「ママ、灰皿ー!」と入りたてに言ったんです。母は皿をふいていて全く気付いていないし、「またこれだ!」と思って中を見ていたら、数ヶ月経った常連さんみたいな方がいて、その方が灰皿をサッと回してくださったんですよね。

常連さんとその灰皿を回してくださった方が、まず「ありがとう」って言いますよね。母も振り返って「あっ!」となって「いらっしゃいませ」「灰皿ありがとうございます」って言います。そうしたら3人でちょっと話し始めたんですよ。

ちょっと不思議だなと思って、閉店した後に、母に私が気になっていたことを言ったんです。

「お客さんはくつろぎに来てるんだから。手伝わせたらダメだよ」

そうしたら、母がその時に言ったのが、「一度助けていただいたら、二度助けるつもりでやっているんだ」ということでした。

母は聞こえない。だからこそ観察に集中している訳ですね。

「昨日来た方が今日もいらっしゃる、なんか元気なさそうやったら、何か自分ができることをする」観察して気づく、これこそが気遣いで、母が言ったのは
「言われてやっていたら気遣いじゃないでしょう」「聞こえないから、私は観察に集中して、気遣いができるようにこのお店の中でやっている」と。

それがすごい面白いなと思ったんですよ。

声のコミュニケーション文化では、結構そこにフォーカスしづらいなと思ったんです。

言ったことが全て、聞いたことが全てという世界では、観察して気づいて行動するというところは中々磨いていけないなと思って、私は聞こえない人固有のコミュニケーション能力がそこにあるんじゃないかなということを、そこで思いついたんですね。

だから、それを最初、接客業の方に、母みたいなろう者の方が講師になって体験で伝えていくというコミュニケーション研修を行なって、会社が立ち上がっていったっていうことがありました。

大久保:リスナーの方にちょっと解説しますと、通常の組織は大体、99%以上聞こえる方だとは思いますが、ご承知のように、意外とコミュニケーションというのは取れていない訳ですよね。

今まで尾中さんが話していただいた内容って、実は聞こえてる人もほとんど関係なく、同じ状態にある人が多いわけです。

このお話というのは、簡単に言うと「分かり合えるとは」ということです。普段聞こえるからこそ、意識できてないところに意識を持っていくことによって、相手の気持ちを読み取ったり、つまり、コミュニケーションの質が高まる訳です。

コミュニケーションの質が高まるということは、私の持論でいけば、組織力向上であり、業績向上に必ず繋がっていく・・・これはもう間違いのない事実ですから、多分大きな企業からも、そういう要請があったんだろうということですね。

尾中:母の店で起きていることって、双方向的だなと思うんですよね、参加型というか。多少の壁があったほうが、手を組み合ったりして、乗り越えようとか、そういう風に気持ちが向くんだなって思いますね。

大久保:実は私も喫茶店にお邪魔したことがあるんですけど、むちゃくちゃ明るいお母さんで、すごいチャーミングで、ものすごい前向き。

お母さんのあの喫茶店に行くと、お客さん同士の垣根がなくなるんですよね。人と人との交流のあったかい場になっているじゃないですか。

それだけあたたかい空間を、通常の喫茶店が作れるかというと、多分作りにくいと思うんです。

逆にお母さんが耳が聞こえないということによって、お客さん同士で、「何?全然聞こえない。お前メモ書け」と別のお客さんが教えてくれるわけですよ。そうこうしている内に、お客さん同士で話して、それをやってくれたお客さんにお母さんも感謝してという、あったかい空間、居心地の良い空間ができているから、それを求めてくる人にとっては、やっぱり最高の場なんじゃないですかね。

つづく

✳︎尾中さんとの対話は、③につづきます。

大久保寛司(おおくぼかんじ)

「人と経営研究所」所長

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日本IBMにてCS担当部長として、お客様重視の仕組み作りと意識改革を行う。退職後、「人と経営研究所」を設立し、20年間にわたり、人と経営のあるべき姿を探求し続けている。「経営の本質」「会社の本質」「リーダーの本質」をテーマにした講演・セミナーは、参加する人の意識を大きく変えると評判を呼び、全国からの依頼が多数寄せられ、延べ10万人以上の人々の心を動かしてきた。

特に、大企業・中小企業の幹部対象のリーダーシップ研修、全国各地で定期的に開催されている勉強会では、行動変容を起こす人が続出している。

著書に、『考えてみる』『月曜日の朝からやるきになる働き方』『人と企業の真の価値を高めるヒント』など多数。

大久保寛司著「あり方で生きる」

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■書籍「あり方で生きる」には、章ごとに、大久保寛司さんの音声ナビゲーションが付いています。

「はじめに」「おわりに」の部分は、下記から無料で聴けますので、よろしければ、こちらから、お聴きいただければと思います。

■「あり方で生きる」音声ナビゲーション

✴︎

VOL.77のお話に関連する「あり方で生きる」の中の1項目です。

2「言葉の奥にある心を観る」

2 言葉の奥にある心を観る

これまでの「あり方研究室」はこちらから、どうぞ!↓

大久保寛司の「あり方研究室」note記事

㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。

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