自信とコンプレックスは紙一重~子ども時代⑤

【子ども時代から学ぶ⑤〜子どもを観て学んだこと〜】

自信(自己効力感)がある人は心が折れにくいので、強く生きていけるとよく言われます。自己肯定感や自信というものは、何か特別に秀でたものがなくても持っている人もいます。また、物質的・環境的に恵まれていても、自己肯定感が低かったり、自信がない人もいます。その違いはどう育まれていくのでしょうか。子ども時代を考えてみたいと思います。

こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。

【プロフィール】

大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。

エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/

「幼児的万能感」という言葉を聞いたことはありますか。幼児期にある「自分は何でもできる」という自信満々の状態のことをいいます。子ども時代はどんどんできることが増えていくし、身長も伸びていく、その過程で、自分は何にでもなれるし、何でもできるようになるのではないか?と思うのも自然のことだと思います。

しかし、成長するにつれ、段々と、周りや他者が見えるようになると、他者と自分の違いがわかり始め、「あれ?自分ってそんなにすごくないのかもしれない」と思うことも増えて、幼児的万能感というのは徐々に減っていくものです。

私は、幼稚園生から小学6年生までの子を見ていたので、幼児的万能感を持ち始める時期から、段々と消えていく様子、消えたけれどまた別の自信を持ち始めていく様子も見ることができました。

そこでわかったことは、自信というのは簡単につけることができるという点です。一方で、簡単につけた自信というのは、簡単になくなることもあるのです。つまり、自信というのは、結局、「心が決めること」なのです。

自信(自己効力感)は何でつくのでしょうか?

何かで1番になった、何かで褒められた・認められた、何か目標が達成できた、などが思い浮かぶと思います。

小さいころに言われた「あなたはきれいな色で塗り絵をするのね」とか「あなたは歌がうまいのね」という言葉が、最初の自信の芽になることは多いです。

逆に「隣のクラスの〇〇ちゃんは絵が上手なんだね!」とか「うちの子は音痴だから…」といったような何気ない言葉で、それが思い込みやコンプレックスになってしまうこともあります。

才能や特性的に人よりも能力が秀でていることがある場合、「何かで1番になる・入賞する・選ばれる」「褒められる」ということで自信をつけることは容易かと思います。一方で、わかりやすい才能・特徴がない場合でも、「何かで褒められた・認められた」という経験が一つの自信に繋がっていくことはあるのです。これは大人でもいいですし、子ども同士の「すごーい!!」という賞賛も含まれます。

つまり、自信(自己効力感)もコンプレックスも、多くの場合、「他者からの言葉」によってつくられた思い込みから始まるのです。

では、この思い込みという「自信」を継続していくためには、どうしたらいいのでしょうか。それこそが、子どもたちが成長していく過程で、小学校3年生(10歳)以降に達成していけるとよい課題なのではないかなと思います。

小学校3年生(10歳)くらいは、自分の意志で”努力”ということをする、弱い自分を律するということが本格的にできるようになってくる年齢です。

ですから、この時期に、「自分なりに努力して、達成する」という経験をしていくといいのではないかと、個人的には思います。子どもたちは、この経験を通じて、ただの思い込みによる自信を、確固たる実績を伴った自信へと変えていくことができるからです。

大人になるまでに、確固たる実績を伴った自信をいくつもてるかが、おそらく、強い自己効力感、揺るがない自分への信頼をもつ根源となるのではないかと思います。

今回の記事は、自信を自己効力感と捉えて考えてみました。この他にも自信の中には自己肯定感というものも含まれているのではないかと思います。このあたりも今後、記事にしていきたいと思います。

【子ども時代から学ぶ・・・子どもを観て学んだこと】

子どもと一緒にいて、子どもを観て学んだことは、実は、自信もコンプレックスも、どちらも簡単についてしまうものであるということ。簡単に外してしまうこともできるし、また、何度でも、身につけることもできる。

㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。

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