大久保寛司さんのRADIO「あり方研究室」!
第12回のテーマは「後悔しない生き方」です。
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■VOL.12「あり方研究室」〜「生涯TRYし続ける人生③」〜
こちらからお聞きいただくことができます。↓
GUESTは上野美佐穂さん、後編です。
▽前編・中編はこちらからお聞きいただくことができます。
大久保寛司’s RADIO「あり方研究室」VOL.10 「生涯TRYし続ける人生」
大久保寛司’s RADIO「あり方研究室」VOL.11 「生涯TRYし続ける人生②」
大久保寛司さんは、長年、日本中のいい会社と呼ばれるありとあらゆる企業を訪問し、その本質を洞察し、その経験を活かして、多くの経営者から師と仰がれ、のべ10万人以上の人の行動を変容させてきた「伝説のメンター」と呼ばれる方です。
令和の時代、そしてWithコロナの時代は、「あり方」の時代になっていくと思います。
これまでは、目を外に向けて、社会の中でどう上手くやっていくか、どうしたら、この社会に適合し、成功するかといった「HOW TO=やり方/LIFE STYLE」がフォーカスされ、よりよく成長しながら生きていくという視点が主流でした。
これからは、指を自分に向けて、ありのまま、あるがままの自分とつながって、日々、自分はどうありたいかという「BEING=あり方/LIFE STANCE」をセンターにして、自然に豊かに生きていくという観点にシフトしていくのではないでしょうか。
〜この研究室は、私が皆さんと共に学ばせていただく場です〜大久保寛司
「あり方」について、「教えてほしい」という姿勢ではなく、自分なりに考え、学ぼうとする方は、皆さん、この研究室の研究員です。
共に学んでいきましょう!
今回のGUESTは、障害(生涯)TRY人、上野美佐穂さんです。
【上野美佐穂さんプロフィール】
1974年、上野家待望のかわいい姫として誕生。1歳半の時に「この子は難病で3歳までしか生きられない」と医師から宣告を受け、両親を絶望させる。
そんな宣告を受けたことなどお構いなしにスクスク育ち、5歳の時に先に母を亡くすという予想外の出来事が!
その後、療育施設に入所。父親に「お前は身体が自由に動かせない分、頭で他の人を追い越すのだ!」と言われ、毎日必死に勉学に励む。
高校入学にあたり、都内の施設から埼玉の療養施設に移り、地域社会とは閉鎖されたような毎日を過ごす。
多くの仲間の死に触れるたびに「自分はここで一生を終えるのか〜」と絶望感に苛まれていた。
20歳の時、ある大学生たちとの出会いで人生は一転。
「人生まだまだ捨てたもんじゃない!」と、脱・施設を決意。
24時間介助者のサポートを受けながら、アパートで一人暮らしを始めた矢先、突然、人生を共に歩むパートナーが現れる!!
2001年、障がいがあっても自分の選んだ場所で、自分の選んだ人たちと、自分の選んだ生き方ができる社会の実現を目指し仲間とともにNPO法人を設立し沢山の障がいのある人たちの地域移行に貢献したが、2018年10月を持って17年間の活動にピリオド。
「終わりに⭕️と思える生き方」(オワマルライフ)を実践していくことを決意し、新たな一歩を踏み出した。
「大の唐揚げ好き」ということと、「食事はみんなで食べた方が美味しい」という想いから、「みぃから食堂」を毎月開催し好評を得ている。
プライベートでは、大好きな浦和レッズの応援や、国内、海外、様々なところに出かけていき、人生を謳歌中。
■障害(生涯)TRY人 みぃちゃんの”我が まま”を生きるばしょ
VOL.12のRADIOから、一部内容を抜粋してご紹介します。
VOL.12「生涯TRYし続ける人生③」
大久保:NPO法人をご自身でやっておられたとのことですが、どんな内容のことをされていたんですか?
上野:自立して3年経った頃、私もいろいろ自由に生きられるようになっていきました。私も施設にいた時は、自分にはそういう生活はできないと思っていたんですけど、実際に始めてみたら、まあできちゃったと言うか…。
大久保:今まで無理だと思ってたことが、できるようになっていったんですね。
上野:そこから、いろいろな意味で、不可能ってないんだなーってことを、生活していく上で感じて、そういう人生を他の人にも味わってほしいって思ったんです。それで、まだ当時、お世話になっていた団体はあったんですけど、そういう場所はとっても限られていたので、もっとやっぱり広げていきたいという思いがあって……当時、一緒にそこの団体にいた仲間と始めました。
最終的にはヘルパー、介助者の事業もやっていたので、当事者のスタッフが10人ぐらいで、あと、その介助する人たちが、一番多いときで、70~80人ぐらいいました。
大久保:その人数をまとめていくって大変でしょう?人が集まると楽しい反面、必ず摩擦も起きるんです。人って集まると、いい面と悪い面とがあって、仲のいい人が集まっても、そのうち摩擦が起きたりするんです。
上野:はい。寛司さんの本「あり方で生きる」を読んで、どうしてこの本を、あの時に読まなかったんだろうって(笑)。
人は変わらない。人は変えられない。ということとか、私はそうしているつもりでも、それは相手には伝わってなかったと感じたので、伝わっていなかったら、していないことと同じとか。そういう現象がたくさん起きまして。
大久保:この本は、ほとんど60代半ば過ぎからの気づきをまとめたんです。
ですから、ここに書いてあることのほとんどは、私自身、40代、50代の頃ははできていないんです。これはもうはっきり言っておかないといけないんですけど、読まれると、多くの方が、私は「できている人」って勘違いされるんです。できていないですよ。ただ、やれるように努力しているということだけはお話できますし、少しずつ最近、ほんのちょっとずつ、できているかなっていうこともありますが。
この本で一番反響があるのが、「正論は無力である」という内容です。
正論と正論がやり合って、うまくいくことってないんです。
もちろん、言わなきゃいけない時はあるんですよ、ケースによっては。
でも、人間関係においては、正論を突き合わせて、お互いにハッピーになることって、まずないです。それは、お互いに不幸になるように頑張ってるようなものですね。
それで、NPOは、結局、何年間されていたんですか?
上野:17年です。
大久保:すごいなあ……一つの事業とか組織や会社って、大体2、3年以内にほとんどがなくなってしまうんですよ。それを考えたら、NPOで17年というのは、すごいことですよ。
一番多い時で70人〜80人、全体をまとめて行く時に、一番大事だなと思ったことはありますか?
上野:とにかく、みんなが楽しく、自由に……やらされてる感ではなくて、率先して、いろんなことを掴んでやってほしいなってことは思っていました。一人ひとりが主体的に動いて、こちらから指示命令で枠を与えるんじゃなくて、自ら動いて楽しんでやってほしいと。それが理想でした。
でも、理想通りにはいかなかった。
大久保:でも、ある程度できてたからこそ、17年、続いたんだと思いますよ。それが全然できていなかったら、十数年続くというのはあり得ないでしょう。だから多分、私の勝手なイメージをすれば、3年、5年、10年と、スタッフの顔って、結構笑顔が多かったんじゃないですか?
上野:楽しくやっていました。楽しくやらないと続かないですもん。
だって、楽な仕事じゃないですから。だから、きっと楽しくっていうのをもっと突き詰めていければ、良かったのかもしれないんですけど、私自身が楽しめなくなっていっちゃったんですよね。私がどんどん満たされなくなってしまって、もっとああいうこともしたい、こういうこともしたいってなっていった時に、どんどんバランスが崩れていってしまって……。
大久保:なるほど。
上野:私も施設にいた時から、人の顔を見て生きるというか、そういう癖がついていたのが、その当時もやっぱり出てきてしまって、人に合わせるようになっていたんですよ。何か違うと思いながら、悶々と2、3年過ごしていたとき、小松さやかさんに出会いました。最初の出会いが「おとなの命の授業」というイベントだったんですね。
その時に、さやかちゃんが、「命は有限だよ」っていうことをすごく言っていたんです。
私も施設を出るときに、とにかく後悔はしたくないと思ったんです。
せっかく生まれてきたのに、自由もなく、何か楽しいこともなく生きていたことに、すごく未来が見えなかったので、とにかく明日死んでもいいから、1日でも「自分で生きたい!」と思ったんですね。
1日でも3日でもいいから、自由に生きたい。生きた心地がしたかった。
その時に、まわりはたくさん亡くなっていって、若くして亡くなる人もいますし、同じぐらいの歳の人もいますけど、亡くなる姿を近くで触れていました。その当時は、誰かが亡くなると見送りをするんですね。
霊安室まで同じ病室の人たちが行って、手を合わせるんです。
若い時から「死」っていうものに対してすごく近かった。
だから、すごい怖かったっていうのと、亡くなっていく仲間を見ていて、「生きててよかった」って思える瞬間があったんだろうかっていうのを、いつも考えていたんです。
「私は生きててよかったと思える瞬間があったんだろうか」と、そう、自分に問いをした時に、私はまだ、生まれてきてよかったって思えることがないなーって思ったんです。
それで、病院を出て暮らそうってなった時に、1日でも2日でもいいから、「自分で生きる」っていうことをしようと。
大久保:1日でも2日でもいいから……
自分で自由に生きる……
上野:そうです。それで、やらなかったら、後悔するなって思ったんですよね。私は3歳で死ぬと言われ、いつまでこの命が、肉体を持って生きられるかわからないんですけど、その「命は有限だ」っていう言葉が、すごく私に響いて、「そうなの、それが言いたかったの!」って思ったんです。
大久保:先週、北海道の紋別というところで、亀田悦子さんという、80代で徳島から、暖かいところから寒いところに移住して、事業を起こした方にお会いしました。82歳ですよ。すごいですよね。
ずっとお話を伺っていたんですが、「やりたいことが山のようにある」と言って、ワクワクされているんです。なんていうのかな、存在が優しさの塊みたいな人でした。
そういう話をこのあいだ聞いてきたので、ひょっとしたら、上野さんも、また何かやりたいことがあるのかなと。今後、何か考えておられることはありますか?
上野:「これをやりたい!」みたいなことは、あんまりなくなってきています。私はやっぱり人が好きなので、人と関わることをずっとしていたいなっていうのと、寛司さんも本に書かれていますけど、「終わりに○がつけられる生き方」というところに向けて、日々日々、本当に好きなことをして、人と関わっていきたいなあっていうことですかね。
あとは、やっぱり、私は、「障害(生涯)TRY人」っていう、私のライフテーマがあって。「しょうがい」というのは、私の身体の障害と一生涯っていう意味を重ねて、「一生トライしていく人」でありたいんです。
トライも、別にそんな大きなことではなくて、毎日、ちょっとした「本当はやってみたいんだけどな」みたいなことをコツコツと挑戦していくみたいなイメージです。
私は、自立するっていうこともそうでしたけど、すごくいろいろトライしてきているんですよ。たとえば、病院にいた時は、バスに乗るってことも、私にとっては大冒険なんです。
大久保:そうですよね。
上野:20歳まで自分で切符を買って電車に乗るっていう経験がなかったですし、病院の行事以外で外出をするってこと自体がほとんどなかったんです。
20歳を過ぎてからボランティアに来ていた大学生の友だちができて、彼らに引っ張り出してもらって、電車に乗ったりして街に出るようになりました。
私にとっては、近くの大宮駅というのは、新幹線も通っている駅で、そこに行くのが、ディズニーランドに行くぐらいの出来事だったんですよ。
でも、そこに行ってしまうと、ここに来れたんだったら、新幹線にも乗れるんじゃない?みたいな風に、本当にちょっとずつちょっとずつ、いろいろなトライができるようになってきたんです。
バスに乗るのも大変で、すごいドキドキだったのが、今は飛行機にも乗りますし、船にも乗りますし、そういう一つひとつもトライです。
それが不可能じゃないってことを、私はたくさんの人に伝えていきたくて、私が何かこうしていくというより、私がしているその姿を、みんなに見てもらって……ほんと「あり方」ですよね。
寛司さんの本を読んで、「あり方研究室」のラジオも聴いて、あり方がすごく大事だなっていうのは、本当に、そう思います。
大久保:お話を伺っていて、一番印象に残ったのは、1日でも2日でも「良かった」と思える日を生きたい、「自由」に生きたいという言葉です。
本当は、その気になると、日本って自由なんですよね。
にもかかわらず、不自由に生きてる人たちがいます。でも、そもそも、不自由というのは、実は、全部自分の心の中で作っているだけなんですよね。
今日、上野さんのお話をずっと伺ってきて、そういうことなのかなっていうことを学ばせていただきました。ありがとうございました。
✴︎「あり方研究室」は、音声でも配信しています。
■「あり方研究室」VOL.12音声配信
大久保寛司(おおくぼかんじ)「人と経営研究所」所長
日本IBMにてCS担当部長として、お客様重視の仕組み作りと意識改革を行う。退職後、「人と経営研究所」を設立し、20年間にわたり、人と経営のあるべき姿を探求し続けている。「経営の本質」「会社の本質」「リーダーの本質」をテーマにした講演・セミナーは、参加する人の意識を大きく変えると評判を呼び、全国からの依頼が多数寄せられ、延べ10万人以上の人々の心を動かしてきた。
特に、大企業・中小企業の幹部対象のリーダーシップ研修、全国各地で定期的に開催されている勉強会では、行動変容を起こす人が続出している。
著書に、『考えてみる』『月曜日の朝からやるきになる働き方』『人と企業の真の価値を高めるヒント』など多数。
大久保寛司著『あり方で生きる』
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■書籍「あり方で生きる」には、章ごとに、大久保寛司さんの音声ナビゲーションが付いています。
「はじめに」「おわりに」の部分は、下記から無料で聴けますので、よろしければ、こちらから、お聴きいただければと思います。
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VOL.12のお話に関連する「あり方で生きる」の中の1項目です。
50「死ぬ時に、自分の人生に○をつけられる生き方」
これまでの「あり方研究室」はこちらから、どうぞ!↓
大久保寛司の「あり方研究室」
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