私は「信じる」という言葉は使わない。
「良い」とか「悪い」という言葉も使わない。
それが「宇宙」の一部なら、それは良いことだろうし、「宇宙」の一部でないなら、それは起こりえない。
他のものとバランスを取るものが存在するものさ。もしここに何かが動いてきたら、別な何かがそっちに動いて、バランスを取る。
我々の宇宙は重なり合ったエピソードの集合体なんだ。
始まりとか終わりは、宇宙にとっては局所的なもので、それは宇宙そのものじゃない。宇宙には始まりも終わりもないんだよ。
私たちはいかに物事がデザインされ、自然がバランスを取っているか、ほとんど知りはしない。時には蚊が異常に発生したり、別な年にはイナゴがたくさん出てきたりする。それらはみんな影響し合っている。
「良い」とか「悪い」じゃないんだ。それらは実際、相補的な、相い補いあうものなんだ。私は「これ」の方が、「あれ」より重要だとは言わない。何だって起こっていることはすべて全体に組み込まれているんだし、全ては相互に関係し合っていると見る。
私には、専門家がやるみたいに、物事をバラバラに分けて、それぞれ無関係なものとして見ることなんてできない。
バックミンスター・フラー
〜今日では、未来に関わる物事の99.9パーセントまでが、人間の感覚器官では直接感知できない現実の領域で処理されている。
だから、最も大きな問題の一つは、我々には見えず、触ることもできない現実を、我々自身が扱っていることなんだと思う。〜
〜みんなが専門化している。これがもう一つの大問題だ。
子どもたちは、みんな、「すべて」に興味を持ち、その相互作用の「全部」を理解したがる。
でも、教育システムや金儲けの人たち、つまり権力システムは賢い人たちを恐れ、そういう人たちをみんな専門家にしてしまった。
将来の大問題は、みんなを包括的な思考や理解へと連れ戻し、全人類をまっとうな数学的調整システムの上にまで連れていくことなんだ。〜
〜心は関係性を発見する。だからこそ、私たちはこの宇宙にいるんだ。
関係性を発見するためになんだ。あるいは、問題を解決するために。
私たちがちょっとやり方を変えさえすれば、答えはすでにここにある。〜
「現代のダ・ヴィンチ」と呼ばれたバックミンスター・フラー先生の包括的な視点の法則。私たちにはほとんどのことがわかっていない、ということがわかると、「良い、悪い」という物差しは、近視眼的で、局所的で、専門的なものにすぎない。
全ては相互に関係し合っている
バックミンスター・フラー
エンジニアであり、発明家であり建築家、同時に、数学者にして哲学者。「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称され、フィールドを横断的に、革新的な業績を残した20世紀の天才、バック
ミンスター・フラー。 独自の数学・物理学体系「エネルギー/シナジー幾何学」を構築する。「宇宙船地球号」という概念の提唱者。
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