【エッセンシャル出版社の考える「出版のミライ」⑨】
話しがわかりやすい人のお話や、印象に残る講演会、セミナーなどでは、秀逸な「例え」が使われていることが多いです。今回は、「例える力」とはどんなものなのか?「例える力」を磨くことで、どんな利点があるのか、考えていきたいと思います。
こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。
私が、”本づくり”をしていく上で、日々、どのようなことを考え、どのような目的で本をつくっているか、記事風に残していきたいと思います。
【プロフィール】
大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/
伝える力がある人の特徴に、「例えが上手」ということがあります。鉄板の例えネタを持っている講演家、セミナー講師の方もいらっしゃいますよね。
また「例えが上手」な人として、お笑い芸人の方がいらっしゃいます。パッと比喩的表現を使って、笑いをとる芸人の方も「例えが上手」なのだと思います。瞬発力のある比喩も、例え上手だと思います。
もうひとつ「例える力」ではなく、「もし、○○だとしたら」という仮説の力も、「例えの力」として、ここでは考えてみます。
1、構造を掴む力(俯瞰して物事の共通項を見つける力)
2、比喩の力ー○○みたい!(物を見たときに、似ているものを連想する、想像力)
3、繋げる力(1と2を使って、一見、全然違うもの同士に共通点を見つけて、もし○○が◆◆ならば、と仮説を立てる力)
この3つを合わせて「例える力・たとえの力」として、ここでは仮に定義します。
優れている人、うまくいっている人、独自の戦略を考えている人は、総じて「例える力・たとえの力」が上手だということに気がつきました。この力を持っている方たちは、構造を掴む力や俯瞰して物事を見る力、そして想像力もある人なのだろうと思います。
この3つの力を合わせて持っていると、何からでも学べるという状態になるのではないかと思うのです。
私が、本を出版するのは、読んでもらうことがゴールではなく、本を読むことによって、心が豊かになったり、情報や知識が増えたりして、「結果、より豊かに生きられる(行動、生き方が変わる)」という状態を目指してほしいという願いを込めてのことです。
そのため、本の価値を「読む→使う(活かす)」に高めていくにはどうしたらいいのか、ということを、「出版のミライ」のラジオや記事で、考えています。
そこで一つの仮説としてあがったのが、この「本を使う(活かす)」が上手な方(仮説を持って見ていくと、YouTubeで活躍されているDaiGoさんや中田敦彦さん等も当てはまる)は、「例える力・たとえの力」を持っているのではないか、ということです。
この3つの「例える力」をお持ちの人を、お一人、例に出すと、それは、花まる学習会の代表の高濱正伸さんです。
高濱さんの講演会は、まるで落語のように何度聴いても、内容はすでに知っていたとしても、思わず笑ってしまいます。お話する「間」ももちろん素晴らしいのですが、とにかく、「例え」が秀逸なのです。文字にして書くと「悪口」に聞こえそうなことも、綾小路きみまろさん顔負けの話術で、適度な毒として笑ってしまうような例えをするのです。
高濱さんの本業は塾の先生です。子どもたちが将来メシが食える大人、魅力的な人になるための教科にとらわれない塾。そのために、授業には、ありとあらゆる仕掛けがされていて、高濱さんの「構造を掴む力」が発揮されていると感じます。
授業の視点は企業秘密でもあると思うので、詳細にはお伝えできませんが、簡単な例だけをお伝えします。
「人と比べていても幸せになれない」ということは、よく聞きますよね。それを知っている人は大勢いると思うのですが、その言葉を言うだけでなく、高濱さんは、たくさんの子ども・親と関わっていく経験を通して、どこでその「比べる」という気持ちが出てきて、どんなタイミングで苦しくなっていくのか?ということを見つけて構造化されているのです。
そして、それをどういう仕組みに置き換えたら改善できるか?と考え、計算教材の内容とやり方に取り入れながら、作り出す……といった感じです。
(つまり、教材という本を読んでもらうだけではなく、ちゃんと人生に活かせるように高めていく工夫を常にされています)
更に、高濱さんは、毎日、いろいろな人と話していくなかで、普通であれば「ふーん。なるほどね」で終わりそうなところを、「仮説として、その力が伸びた理由は○○ではないか?」という思考で、とらえていくのです。そのスタンスで、更にいろいろな物事を見ていくうちに、仮説が確信に変わっていき、結果、自分なりの信念やオリジナリティに基づいた子育て論が生まれていくのです。
(まとめ)
素晴らしい人、成功している人、何をやっても成功するであろう人、同じ情報を得たときに活かし方が上手な人の特徴は、現状、「3つの例える・たとえる力」を持っている人だと仮説を立てて、考えてみました。
1、構造を掴む力(物事の共通項を見つける力)
2、比喩の力ー○○みたい!(物を見たときに、似ているものを連想する、想像力)
3、繋げる力(1と2を使って、一見、全然違うもの同士に共通点を見つけて、もし○○が◆◆ならば、と仮説を立てる力
この3つの力を自然と持っている人はどこでその力がついたのか?
何かトレーニングてきなもので、身につけていけるものなのか?
読者の方に、本をよりよく活かしていただくために、この3つの力を「本を読む前の土台づくり」の基礎技術として捉え、今後、考えをまとめていきたいと思います。