本日のミライ会議は、オリエンタルラジオの中田敦彦さんのユーチューブ大学の動画「Amazon一人勝ち時代の生存戦略」から出版のミライについて考えてみました。
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Amazonはもはや、本を配送するサービスではなく家電や生活必需品なども出品されていて、生活に欠かせないものになってきています。コロナ後には、Amazonが自社ブランドで商品を出していくなどして、ますます「一強」になっていくのではないかと『Amazon化する未来』という本では予測しています。その本をもとに、中田敦彦さんが、そんな時代に、企業やサービスが「生き残るための4つのポイント」をユーチューブ大学で講義されていました。
☑生き残るための4つのポイント
①オンラインとオフラインの融合
Amazonの苦手なオフラインのもの、オンラインとオフラインを融合したサービスを提供すること。
②そこでしか買えないもの
設置が必要なものへの対応というサービスやパーソナライズされたものの販売。
③テクノロジー/ソーシャルメディア
Amazonでは買えないテクノロジーで勝負するということ。たとえば美容であれば、顔の肌質診断のスキルなどです。
④社会的使命
眼鏡を1本買うと、もう1本、発展途上国にプレゼントなど、社会的使命を追求したもの。この部分は、Amazonが少し弱いとされているところであり、そういった使命への共感は、商品価値とは異なるプラスαの価値を創造します。
1、Amazonが最初に目をつけたのは書籍の販売
Amazonが最初に開発したサービスが、本の即日、配送サービスです。
その頃から、既に出版業界のシステムが、お客様のニーズと合わないものになってきていたのかもしれません。
現在の書店・取次・出版社を取り巻く仕組みだと、書店で注文した書籍が書店(お客様のもと)に届くのが「2週間後」になってしまうのです。ネット書店がない時代には、「2週間で、無料で取り寄せてもらえるなんて、ありがたい」と思われたことでしょう。
しかし、今や、「Amazonプライム」というサブスクに入っていれば、「送料無料」で次の日には本を届けてくれる仕組みになっています。
Amazonプライムのサブスクは、その他にも映画やドラマ、オリジナル作品などが見放題ということもあり、Amazon利用者の多くが使っているサービスだと思います。要するに、実質「0円」感覚で、皆がすぐに本を取り寄せられるようになってきているのです。
売れる本、主要な本などが、「書店に並ぶ・手にとって吟味できる」のは良い点だと思いますし、偶然、目に留まった書籍との出会いという点も、書店の利点だと思います。
しかし一方で、今の書店の仕組みや環境では、少し前に出された本や、小部数の本を手にしたいという声に応えるものには、あまりなっていないということも事実です。しかし、様々な環境要因があり、書店が半減している現在も、仕組みの変更がされていない現状があるので、「仕組みを変える」ということには、まだまだ大きな力と長い時間が必要なのだと思います。
2、「生き残るための4つのポイント」③テクノロジー/ソーシャルメディア・・・について考えてみる
Amazonはオンラインで物を販売するサービスというのがメインのビジネスモデルなので、Amazonでは販売できない「テクノロジー」で勝負するということも、一つの視点としていいのではないかというのが、「テクノロジー/ソーシャルメディアで勝負する」というものです。
出版社は、そもそも「テクノロジー」を開発するということがメインではないので、Amazonにはない「テクノロジー」と「出版(紙の書籍・電子書籍)」を掛け合わせることによって、勝負することができるのではないかと考えています。
その一つが、「ブロックチェーン」を使った電子書籍の販売です。ブロックチェーンはこれからのテクノロジーではありますが、ブロックチェーンを使うことによって、たとえば、読者同士で書籍の売買がより簡単にできるだけでなく、それが著者や出版社にも利益還元されるという仕組みを構築することができます。
また、今後、AIなどの進化に伴い、移動労力と移送費がテクノロジーによって軽減されてくれば、地方の書店が減っている中でも本を届けるためにできることであり、空き家などを活用することで、家賃や場所代などの固定経費が少なくて済む「旅する本屋」のような構想や事業は、グッと現実味を増します。
↓旅する本屋について話している動画はコチラ↓
3、「生き残るための4つのポイント」①オンラインとオフラインの融合・・・について考えてみる
オンラインに圧倒的に強いAmazonに対して、オンラインとオフラインとを融合して「Amazonにはできないサービス」をつくることで、顧客に対して価値創造ができるのではないかというのが、①のポイントです。
たとえば、中田敦彦さんも「YouTubeで発信」(オンライン)しつつ、その動画の収録をリアルに観覧できるというオフラインを融合して、価値の高いサービスを作ることを心がけているそうです。
私たちも、たとえば、『あり方で生きる』の著者である大久保寛司さんの「あり方研究室」というラジオ番組を制作して、発信しています。これはもちろん、オンラインでの発信ではあるのですが、その先に、「対談をリアルタイムで聴いて、チャットで質問などもできる」という企画や、ラジオ対談をしている大久保寛司さんの収録現場に参加して、リアルで話を聴けるといつたオフラインの企画を検討していってもいいのかもしれません。
オンラインとオフラインのサービスやコンテンツを別々で発信するのではなく、うまくオンラインとオフラインを融合させていくことでこそ、価値をより高めていけるのだと思います。
4、「生き残るための4つのポイント」④社会的使命・・・について考えてみる
企業やブランドが、社会的な使命をしっかりと持ち、きちんと発信することができれば、その商品やサービスを購入するお客様も、ただ「安いから」だけではなく、その使命に共感いただけることで、結果、「どの企業に対してお金を渡し、循環させるか」ということも考えて、購入してくれるようになるはずです。
社会的使命という点では、エッセンシャル出版社としては、出版する一冊一冊に、「どういう目的でこの本を作ったか、どういう風にこの本を発信していきたいか」ということを、それぞれ記載させていただいています。
本の内容だけでなく、出版社なりの「本の目的」を明記することで、その本の存在意義や、出版社の存在意義を、少しでもお伝えできればと考えています。
また、「本は読むだけではなく、どう人生に活かしていただけるか、どう実践知=血肉にしていただけるかが大切」だと考えていますので、「本を買って読んでもらったら終わり」ということではなく、それをどのように活かしてもらえるか…ということを考えて、いろいろな試みを行っています。
まとめ
今年1年は、本の制作だけでなく、広く届けるという視点でいろいろと考えて、試行錯誤してきました。
今回、「生き残るための4つのポイント」を聴いて、エッセンシャル出版社としては、「Amazonに勝つか・負けるか」という風に捉えるのではなく、ポイントで取り上げられていた視点を参考に、様々な要素を融合しながら、Amazonや他の業界とも、共存、共栄できるようにしていきたいという風に思いました。
「こうした方がいいな…」と思ってやってきたことが、この「生き残るための4つのポイント」に、わかりやすくまとめられていたので、自分たちの、この取り組みは何番に当てはまるな…というように、確認していくことができました。
また、この一年の自分たちの活動や試みを振り返る機会にもなったので、さらに何番をもう少し強化しようなど、アイディアを出すためのヒントにもなりました。