令和の時代、そしてWithコロナの時代は、「あり方」の時代になっていくと思います。
これまでは、目を外に向けて、社会の中でどう上手くやっていくか、どうしたら、この社会に適合し、成功するかといった「HOW TO=やり方/LIFE STYLE」がフォーカスされ、よりよく成長しながら生きていくという視点が主流でした。
これからは、指を自分に向けて、ありのまま、あるがままの自分とつながって、日々、自分はどうありたいかという「BEING=あり方/LIFE STANCE」をセンターにして、自然に豊かに生きていくという観点にシフトしていくのではないでしょうか。
作品作り、コンテンツ制作といったクリエイティブの世界でも、「あり方」は大切なキーワードです。
長年、数々の心に残るCM作品を創り続けてきた、サトー克也さんというCM制作のトップクリエイターがいらっしゃいます。
▽広告道を極めた先にあったもの~人生観が変わる10の本質
サトー克也さんは、広告という、ある意味、消費社会の先端にある業界で、あえて、「あり方」を通して、人間や自然の本質をCM作品として表現されているクリエイターです。
― サトー克也さんの最近のCM ―
■早稲田アカデミー「15のキミへ」
15歳のありのままの想いが込められた、PV200万回を超えた15歳への応援ムービーCM。
観る人が、それぞれ自分の15歳の頃を思い出してしまうような、心が動く作品です。
サトーさんの代表作の1つに、カンヌなどで多数の賞を獲得した、日立マクセル「ずっと、ずっと。」シリーズがあります。
生徒数3人、卒業式で休校を迎える100年以上続いた鹿児島の小学校の最後の一週間を追ったドキュメンタリーCMです。
■日立マクセル「ずっと、ずっと。新留小学校編」
生徒のあるがままの自然な様子は、観る人の心になぜか響いてきます。
サトーさんは、いきなり撮影を始めたりせず、まずは、しばらく学校内にただカメラだけを置いて、生徒がカメラがある状態になれるようになってから、特別な演出などもせず、ただ、生徒の方々のあるがままの姿を映像に残していったそうです。
サトーさんの優しい眼差しが作品全体に溢れていて、従来の方法論や映像のテクニックなどではなく、「あり方」で制作しているからこそ、このCMも長く人の心に残る作品になっているのではないでしょうか。
■大塚食品「クリスタルガイザー」
シャスタ山の一年を映し出した美しいCM。
自然のありのままの姿そのものこそが、人の心に深く共鳴するメッセージなのだということを感じます。
サトー克也さんの言葉には、「あり方のクリエイティブ」のヒントがたくさん詰まっています。
その言葉の中から、1つご紹介します。
■人は感じて動く
その商品は、その人の人生を、いかに幸せにできるのか?
そのサービスは、その人の毎日を、いかに幸せにできるのか?を見つけ出す。
クライアントは、売れそうだから商品を出したり、売上のためにサービスを開始したりして、実は、その商品、サービスに込められた「愛」に気づいていないことがある。
そんな時、クリエイティブディレクターが、それを見つけてあげればいいのだ。
この世に必要のない商品はない。
この世に必要のない花は咲かない。
広告は、紹介でもなく説明でもない。
ましてや、説得でもない。
説明されても興味がなければスルーされる。
さらに説得なんてされるとウザく感じる。
人は、説明や説得ではなかなか動かない。
人は、感じて動く。
■「和法」サトー克也
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数々の名CMを生み出し続けるトップクリエイターが語る、 「感動を生み出す表現の創り方」とは?そのヒントは日本の知恵にあった。
仕事と人生に役立つ「令和をクリエイティブに生きる」ための10の法則=「和法」。
【サトー克也】
クリエイティブ ディレクター。
心に響くインパクトのある広告表現で、数々のCM話題作を世に送り込む、CM界のトップクリエーター。
主な演出作品に、日立マクセル「ずっと、ずっと。」、コスモ石油「ココロも満タンに宣言」、東京メトロ「すすメトロ!」、大塚食品「クリスタルガイザー」、読売新聞「編集手帳」、大阪ガス「さすガっス!」「ガ、 スマート!」他多数。カンヌ国際広告祭銀賞、ギャラクシー賞、ACC賞他受賞多数。